アリーテ姫
MOVIE 2001/105min
誰の手にも、思い描いたことを実現する力がある
「自分は、本当は何ができるんだろう?」「どうしてここでこんなことをしているのだろう?」…。誰もが生涯に一度は感じたことのある不安や疑問。でも、『アリーテ姫』を観終わった後には、自分の周りにあるしがらみが一掃されたような気分になる。アリーテは〈お姫様〉として生まれてきた。与えられた環境に縛られて、自分に自信を持てない中、自分を信じ、励まし、自分の可能性を探して、本当の自分自身を発見していく。主人公のアリーテ姫には“今置かれている環境に不満を持つ等身大の人物=自らの存在意義を見出せずにいる現代人”の孤独感・孤立感を投影させ、従来の“シンデレラ姫”や“白雪姫”のような王子様に助け出されるのをただ待っているだけの受け身のお姫様ではなく、自分の意志で未来を切り開いていく行動的な新しいヒロイン像が誕生した。そこには「誰の手にも、思い描いたことを実現する力があるんだよ」という監督の強いメッセージが込められている。大人から子供まで、自分に迷い、自分にできる何かを探しているすべての世代の人たちに観て欲しい、心の冒険の物語なのだ。
STORY
時は中世。姫君は、城の高い塔のてっぺんの小部屋に閉じこもり、その顔を人々の前に見せることはない。やがて婿となる男性の現れる日まで、無垢な身でいつづけることがその使命なのだ。
だが、彼女——アリーテ姫は、塔の窓から見下ろす城下の町に生きる人々の姿を見ては、生きることの意味を考えていた。ある日、古文書を読み解いて秘密の抜け穴を探り当てた彼女は、城を抜け出し町へ出る。城下町は職人たちの世界。そのひとつひとつの手が意味ある物を生み出して行くさまは、まるで魔法を見るかのよう。人の手にはこれ程の可能性がある。だったら、わたしの手にだって出来る何かが……。
MAIN STAFF
監督・脚本:片渕須直
プロデューサー:田中栄子
キャラクターデザイン:森川聡子
作画監督:尾崎和孝/ 美術監督:西田稔
CGI監督:笹川恵介 / 色彩設定:林亜揮子
音響監督:早瀬博雪 / 編集:瀬山武司
製作:Beyond C.、電通 、小学館、IMAGICA、オメガ・プロジェクト
©ARETE PROJECT